msksgm’s blog

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Webエンジニアです。日々の勉強記録、技術書感想、美術観賞感想を投稿します。

「天才を殺す凡人」感想

「天才を殺す凡人」[北野唯我 (著) , 2019]を読みました。

有名なビジネス書であったこと、エンジニア書籍大賞のビジネス書部門にも選ばれていたことから読むことにしました。

感想

本書は、小説形式で、主人公と喋る犬のケンを中心として、天才がどのようにして会社を去っていくのかを、「天才」、「凡人」、「秀才」という3つの要素から解説していきます。

天才は創造性、秀才は再現性、凡人は共感性というそれぞれの特徴をもち、それらは企業の適切なフェーズにおいて大きな力を持つこと、天才は拡大フェーズにおいて役割を失い会社から追い出されること、天才、秀才、凡人は橋渡しとなるアンバサダーがいること、凡人は「共感性の神」と呼ばれる人がいることなどといった事例を、ストーリーを読み進めながら納得したり、自分の過去の経験から共感したりして読むことができます。

この本で得られる知識はページ数の割には内容は薄いです。だから、YouTube やブログなどで、解説系の動画やブログが散見されるのかもしれません。 ストーリーパートが 200 ページほどありますが、最後の 10 ページでまとめられているので、この本で得られる知識は、最後の部分だけを読めば十分です。 ただ、ストーリパートによって著者が実践的に伝えようとしていることから、ストーリーパートで理解しやすい人、共感を持ちやすい人、例えば「THE GOAL」、「嫌われる勇気」、「カイゼン・ジャーニー」などが合う人にはおすすめできます。 個人的には、ご都合主義のストーリー形式を用いたビジネス書は一長一短あると思うのですが、この本の結末の主人公の選択はこじつけすぎなくてよかったです。

11月の振り返り

11月の振り返り

生活習慣

早寝早起きして、ジム通いを続けています。 筋トレ中に腰を痛めました。。。 それから腰を痛めやすくなってしまいました。 なんとか、持ち直して続けています。

プログラミング関連

個人開発

業務の PHP の理解を深めるために RealWorld を参考に Laravel で API を作る個人開発をしていました。 ただ、勉強会のために徳丸本を読んでいるので、あまり進んでいないです。 年末には Go の勉強をするため、そこまでを一区切りとして進めていきたいです。

フロントエンド

今月は特に取り組めませんでした。 今後の数ヶ月は、バックエンドと設計に注力したいので、今後もとり組まないと思います。

バックエンド

Laravel で API を作成して、PHP と Laravel に対する理解を深めようとしています。 RealWorld は参考にしやすい API 設計だけでなく、テストも書かれているので、非常に勉強になります。 写経するだけでは身につきにくい、個人開発に考え方を組み込んで実装していますが、Laravel 特有の書き方をどこまで理解すればいいのか迷います

インフラ

ecs と github action を用いた CI/CD 環境の動作をおこないました。 しかし、10 日ぐらいでランニングコストが馬鹿にならないので削除しました。 本番デプロイするタイミングで再稼働することを考えます。

データベース

「達人に学ぶ SQL」と「SQL アンチパターン」を読みました。 前者は「初級者で終わりたくないあなたへ」という触れ込みですが、レベルが高かったです。 逆に後者はタイトルほどのとっつきにくさはなく、また SQL だけではなく、テーブル設計などの内容にも踏み込んでいます。 これらの本を読むと、パフォーマンスの面において ORM を使うことに抵抗を感じるようになりました。

ネットワーク

特にありません。 ネットワークをがっつりと勉強するタイミングは AWSVPC やネットワークテーブルまわりを勉強するときになりそうです。

その他

セキュリティまわりの勉強をしたいため、10月から引き続き徳丸本を読んで勉強会をしていました。 なんとか、読破できました。12月にウェブセキュリティ基礎試験を受けます。 ついでに、「Web ブラウザセキュリティ」も読みました。1、2、4章は難易度が低くわかりやすかったですが、3、5、6章は難しかったので読み飛ばしてしまいました。 また、次の勉強会では、ユースケース駆動開発実践ガイドで ICONIX プロセスを学びます。

英語

TOEFL で 100 点を超えることを目標に英語の勉強をしています。 単語帳で単語を覚えつつ、自分の興味のある英語の動画でシャドーイングをすることにしました。 今月は、「Node.js に関する 10 の反省点」でシャドーイングをしました。

www.youtube.com

技術記事

今月から zenn に書いています。 また、過去の記事を zenn に移行しています。 インプット過多で今月は2つしか記事をかけなかったのが心残りです。。。

1 記事目 「Laravel8 で外部キー制約を追加する」

zenn.dev

2 記事目「Laravel の api に認証時に Route [login] not defined.エラー」

zenn.dev

趣味

読書

今月は6冊読みました。

1冊目 「達人に学ぶ SQL 徹底指南書 第 2 版 初級者で終わりたくないあなたへ」

msksgm.hatenablog.com

2 冊目 「Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者たち」

msksgm.hatenablog.com

3 冊目 「ニュータイプの時代 新時代を生き抜く 24 の思考・行動様式」

msksgm.hatenablog.com

4 冊目 「Web ブラウザセキュリティ」

msksgm.hatenablog.com

5 冊目 「SQL アンチパターン

msksgm.hatenablog.com

6 冊目 「SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法」

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映画観賞

今月もいけませんでした。。。

美術観賞「グランマ・モーゼス展」

msksgm.hatenablog.com

絵を描く

ドローイングを続けています。 勉強の比重をあげているので、あまり力をいれていません。

最後に

今年も、あともう少しでおわりです。 ブログに振り返りを書くようになってから一年たとうとしています。 年末ぐらいに一年の記録の振り返りをしようと思います。

「グランマ・モーゼス展」感想

グランマ・モーゼス展 ― 素敵な 100 年人生」にいってきました。

www.grandma-moses.jp

グランマ・モーゼス展 ― 素敵な 100 年人生

グランマ・モーゼス展 ― 素敵な 100 年人生」は、東京都世田谷区にある世田谷美術館で開催されました。 会期は 2021 年 11 月 20 日(土)〜2022 年 2 月 27 日(日)となっています。 11 月 28 日に鑑賞しにいき、所用時間は1時間30分ほどでした。 10 時に観に行ったわりには、人が多かったですが、気にするほどの人混みではありませんでした

グランマ・モーゼスは、本名アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼスであり、70 代で絵を本格的に書き始め、亡くなる 101 歳まで絵を書き続けたアメリカ人の画家です。 牧場や農家の暮らしをモチーフにした作品となっており、彼女の陽気な風景画は、第二時世界大戦の恐怖でトラウマを負い、冷戦の現実を受け入れ始めたばかりの人々に慰めを与えました。

本展では4つのセクションにわけて、グランマ・モーゼスの作品が展示されています。 グランマ・モーゼスの回顧展は 2005 年以来だそうです。

作品 概要 感想

以下の 4 つのセクションで構成されています

  1. アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス
  2. 仕事と幸せと
  3. 季節ごとのお祝い
  4. 美しき世界

1. アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス

このセクションでは、グランマ・モーゼスの初期の作品、制作に使っていた道具(机、絵筆、絵の具の瓶)、家族の写真が展示されております。 グランマ・モーゼスの作品が行き渡るようになったきっかけは、オットー・カリアーが村を偶然訪れた際に作品を気に入り、購入し他の場所で個展を開くようになってからです。 また、制作の使っていた道具はまじかでみることができます。机の脚部には風景画が描かれており、よほど気に入っていたのかと想像させられます。 また、絵の制作前に取り組んでいた刺繍も展示されており、色の使い方、立体的な表現も必見です。

2. 仕事と幸せと

「仕事と幸せと」とは彼女の 95 歳の誕生日の際に書いたエッセイの題名です。 農村では、季節毎の仕事(石鹸作り、蝋燭作り、作物の収穫)を村人全員でおこないます。 こうした仲間意識を育む機会でもあった仕事や、その他のイベント(結婚式、引っ越し)などを描いた作品がこのセクションでは展示されています。 現代ではあまりない村ぐるみの付き合いが、当時は当たり前であり、それを切り取った作品群を見ることができます。

3. 季節ごとのお祝い

季節毎の特別なお祝い事を切り取った風景画が展示されています。 四季折々な作品をみることができます。

4. 美しき世界

グランマ・モーゼスの主なモチーフである、風景画があらためて展示されています。 彼女が、自然風景をどのように感じ取っていたのかが解説されています。 風景は比較的写実的な描写を使ったりするのに対して、動物や人間の表現はとても抽象的に描かれます。 これらのように、風景画と人物画を切り離して捉えていたことがわかります。 また、絵を書き始めてから数年たった後だったため、初期の作品よりも、緻密に絵が描かれている部分を感じられます。

その他

他の展示としては、グランマ・モーゼスは TIME の表紙になったり、作品が印刷された食器だったり、表彰された時の賞状の複製などがあります。 他には、絵画以外の作品として、絵本やエッセイもあります。 また、孫や娘のために作った洋服や小道具なども展示されており、必要なものは作っていた当時の考え方暮らし方を見ることができます。

感想 まとめ

70 代から画家になり、アメリカで有名な画家の一人となったグランマ・モーゼス。 何歳になっても始めるのに遅すぎるというのはないということを感じさせてくれます。 刺繍をやっていたおかげか初期の作品から色の取り方はとても美味かったですが、晩年の作品は作品の緻密さが向上しているように見えました。 何年になっても新しいことに挑戦したい気持ちになりました。

本展では、印象派の風景画に現れる表現技法ではなく、自分がみたままに絵に起こした作品をみることができます。 グランマ・モーゼスがの人生で見てきた印象的な出来事を起こしており、作品で伝えたいことは明確に感じられました。 個展で評価されるためだったり、新しい表現に挑戦したり、などということではなく、素朴な作品たちにはこれまで以上に作者が伝えようとしているものがわかりやす気がします。

コレクション展などで、時代による作品の変遷などを繰り返し観てきた自分にとっては、技法などを考えずに作られたであろう作品は逆に新鮮でした。 70 代から絵を書き始めた人に興味がある人、印象派の作品に飽きてきた人におすすめできるのではと思います。

「SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法」感想

「SPRINT 最速仕事術――あらゆる仕事がうまくいく最も合理的な方法」[ジェイク・ナップ (著), ジョン・ゼラツキー (著), ブレイデン・コウィッツ (著), 櫻井 祐子 (翻訳), 2017]を読みました。

感想

以前、「時短術大全」という本を読んだときに割と参考になったのと、著者の前作ということで、読むことにしました。

平日の5日間にそれぞれ目的を作ってプロダクトを作成し、最速のフィードバックにより効率良く失敗と成功をしようという内容です。 タイトルをみたときに、効率的な5日間の過ごし方が書いてあって、それを何度も繰り返すのかと思いきや、あくまで5日間限定みたいです。

本書の構成は、導入、月曜から金曜日に日付ごとにやること、本書のふりかえりとなっています。 月曜日から金曜日にやることは

  • 月曜日
    • 目標を固める
  • 火曜日
    • 思考は発散させる
  • 水曜日
    • ベストを決める
  • 木曜日
    • 幻想をつくる
  • 金曜日
    • テストする

のようにやることが明快です。 さらに具体的におこなうことを実際の企業の例(匿名や、ブルーボトルコーヒー、スラックなどの企業まで)と一緒に解説してくれます。

リーン・スタートアップでも、MVP(Minimum Viable Product:実行最小製品)によって、小さな失敗によってソリューションと顧客の課題のギャップを埋めることを提唱していました。 チームが抱えている前提は、MVP を作ってフィードバックを得られるまでの5日間バージョンといったような内容です。 リーン・スタートアップが好きな人にはそれなりに響くと思います。

SPRINT は個人でもできるということが、書いてありましたが、道具や専門家がいないということから、個人の再現性は厳しいと思われます。 また、5日間で新しいプロダクトのプロトタイプを作ってフィードバックを得るということは、それ以外の業務ができないので、新規開発の部署向けとなってるので、そうでない場合はあまり現実的ではないかもしれません。 ただ、アイデアだしからプロトタイプを作ってフィードバックを得るまでのプロセスは、だらだらと個人開発をしてしまう自分としては多少なりとも参考にしたいと思いました。

「SQL アンチパターン」感想

SQL アンチパターン」[Bill Karwin (著), 和田 卓人 (監修), 和田 省二 (監修), 児島 修 (翻訳), 2013]を読みました。

感想

SQL の勉強の一環として、SQL と DB の 名著をとして紹介されることが多いので、読みました。

名前に反して SQL に限らず、SQL、DB 設計、開発方針などのさまざまな観点において、25 種類の アンチパターンの紹介、見つけ方、解決方法が紹介されています。 アンチパターンユースケースもまちまちで、普段当たり前のように解決しているもの、うっかりハマってしまいそうなもの、拡張していったときに遭遇しそうなものになっています。 最後あたりは DBA 目線で DB の管理方法や、DDD を用いた設計になっており、事業レベルのお話だったりドメインモデルのお話だったりします。 なので、本書の内容は初心者から上級者まで共感しやすく、アンチパターンの解説も繰り返しなので、とても読みやすいです。 サンプルコードは公開されていますが、あまり手を動かして理解するようなものでもない気がするので、さらっと一読できます。

個人開発レベルでも会社のデータベースエンジニアや DBA など様々なタイミングで読み返せる内容になっているので、自分の SQL や DB の技術力に関係なくとりあえず読むことをお勧めします。

SQL について自信がなかったら、「わかりみ SQL」が分かりやすく SQL のレベルの幅広いのでお勧めします。

booth.pm