msksgm’s blog

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Webエンジニアです。日々の勉強記録、技術書感想、美術観賞感想を投稿します。

「ジョゼと虎と魚たち」感想(ネタバレあり)

ジョゼと虎と魚たち」を観に行きました.

予告編の pv が綺麗で気になっていたので観に行きました.
日本アカデミー賞の優秀アニメーション賞に選ばれてとても嬉しいです.
感想を述べていきたいと思います.(少し)ネタバレありで書きます

概要

あらすじは以下(公式サイトより引用)

趣味の絵と本と想像の中で、自分の世界を生きるジョゼ。
幼いころから車椅子の彼女は、ある日、危うく坂道で転げ落ちそうになった ところを、大学生の恒夫に助けられる。
海洋生物学を専攻する恒夫は、メキシコにしか生息しない幻の魚の群れを いつかその目で見るという夢を追いかけながら、バイトに明け暮れる勤労学生。
そんな恒夫にジョゼとふたりで暮らす祖母・チヅは、あるバイトを持ち掛ける。
それはジョゼの注文を聞いて、彼女の相手をすること。
しかしひねくれていて口が悪いジョゼは恒夫に辛辣に当たり、 恒夫もジョゼに我慢することなく真っすぐにぶつかっていく。
そんな中で見え隠れするそれぞれの心の内と、縮まっていくふたりの心の距離。
その触れ合いの中で、ジョゼは意を決して夢見ていた外の世界へ 恒夫と共に飛び出すことを決めるが……。

田辺聖子さんの作品で,原作が 1985 年に出版,実写映画 2003 年に公開された作品になります.

原作,実写映画,アニメ映画,それぞれで結末が違うらしいです.

私は,原作を未読,実写映画を未視聴です.
ネットの意見をざっと観た感じ,実写映画の評価は賛否両論みたいですね.
知人いわく, 「実写映画は原作を読んだ後に観て欲しい」とのことなので,次に原作を読みたいです.

感想

一言でいうとジョゼが可愛いにつきます.

制作会社はボンズで,とても綺麗な作画と物語が進むにつれて変化するジョゼの心境とともに彼女の表情も変化していきます.
物語の冒頭における硬い表情から,柔らかい表情,決心したときの真剣な表情などと,様々な表情を見ることができます.
表情だけでなく,作中で様々な服装を身に付けており,四季に応じた姿も見ることができます.
ラストまでジョゼの変化に目が離せません.

主人公の恒夫と友人の舞,隼人,途中でジョゼの友人となる花菜といった登場人物全員に好感を持てるので観ていてストレスを感じません.
多分,原作では友人らの出番はなかったと思いますが,アニメ映画を作る上では彼らの存在必須だったと思います.

物語終盤でラストシーンで泣きました.
詳細の記述は書かないのでが最後の結末がどうなるのか読めなかったので,結末がわかったときに,泣いてしまいました.

物語の構成について

物語は基本的に恒夫の視点で進みます.最初は彼のアルバイトシーンや研究にとりくむシーンから恒夫の夢に向かって努力をする姿にも惹かれます.

ひょんなことからジョゼの管理人としてのアルバイトが始まり,日々を通じて仲良くなります.
映画だからしょうがないのですが,この流れが急に感じました.
おばあちゃんが過保護(少し毒親感を感じてしまう)なはずなのにみずしらず(ジョゼを助けてくれたが)の男に仕事を任せることとか,最初に仲良くなるまでシーンまでの過程が早すぎとか,感じました.
実写と原作はどうしているんだろう...
ただ,綺麗な作画に目が惹かれますし,仲良くなった後に何事にも消極的だったジョゼが様々なことに挑戦する姿は見ていて応援したくなります.

その後,物語が二転三転しジョゼの心が再び閉じて,恒夫の夢への道が閉ざされてしまいます.そのときのジョゼの決心と,恒夫の行動,そしてラストシーンへとつながります.
ここまでの流れは,物語の核となり登場人物たちの葛藤を飽きさせることなく見ることができて,とても満足でした.
特に途中からのジョゼと恒夫の行動には胸が締め付けられる思いでした.

登場人物について

登場人物を全体を通して好感を持てました.
全員に幸せになって欲しい...!
恒夫とジョゼだけでなく,周囲の友人たちもいてこの物語が綺麗に成り立っていると考えます.
最初のおばあちゃん(山村チズ)の過保護な行動も孫と二人ぐらしなことを考慮したり,途中の恒夫とジョゼへの言動などを考えると,やはり好感を持てる人物でした.

まとめ

実写映画とアニメ映画で二回映画化を果たした「ジョゼと虎と魚たち」.

何度も,映画の題材になるだけあって人の心を惹かせるものがあります.
原作と実写映画は観ていないのですが,軽くレビューを見る限り,アニメ映画が最も優しく作られているみたいです.
綺麗な恋愛作品が観たい人に是非おすすめですし,なんとなく気になっている人には後悔しないと思うので観に行って欲しいです.

日本アカデミー賞の優秀アニメーション受賞おめでとうございます.

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)

ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)