msksgm’s blog

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Webエンジニアです。日々の勉強記録、技術書感想、美術観賞感想を投稿します。

「学習する組織」感想

概要

学習する組織を読みました。 感想を書きます。

前提

目的

本書を読んだ背景は以下です。

  • 組織論について興味があった
  • DevOps の実践が自分の目標の 1 つだったので、組織やマネジメント周りも学ぶ必要があった
  • スクラムの書籍に紹介してあったので気になって読んでみることにした

事前知識

事前知識というほど内容が重複していませんが、以下の書籍を読んでいました。

読了時間

300 ページぐらいまで 20 時間ほどかけて読み、それ以降は具体例が多かったので 5~10 時間ほどで読みました。 前半は、気になった文章を Google Spread Sheet にまとめたりしていたので、時間がかかりました。

感想

現代でも十分に通じる組織論やマネジメントの考え方が詰め込まれた書籍でした。 エンジニアリング組織にも適用でき、組織がどうあるべきか考えていた自分にマッチしており、非常に学ぶことの多い内容でした。 個人的には、数多くのビジネス書があるのに、なぜ本書の紹介が少ないのか疑問に感じるほど良い書籍だと思いました。

思ったこと

本書は「学習する組織」を 5 つのディスシプリンによって成り立つことと、それらが実践された具体例についても紹介します。 5 つのディスシプリンは以下です。

  • システム思考
  • 自己マスタリー
  • メンタル・モデル
  • 共有ビジョン
  • チーム学習

詳細の説明は長くなるので省略しますが、それぞれが成功する組織として必要不可欠なものだと納得感のあるもであり、実践できていないことに対して大いに刺さりました。 ディスシプリンについて知ったとき、ブログや書籍で組織が成功した話は単一のディスシプリンを実践した結果だと思いました。 そのため、ほかの組織が見よう見まねでやっても一時的だったり効果が得られないのは、ほかのディスシプリンを実践できていないからだと思いました。 自身が何かしらの実践したときにもうまく継続できていなかったのは、ディスシプリンの一部だけを実践していたからだと反省しました。

また、アジャイル開発手法の 1 つにスクラムというフレームワークがあります。 本書を読んだ際に、スクラム5 つのディスシプリンとアジャイルを融合させ具体化させたものだと個人的に思いました。 スクラムも方法論の 1 つですので、スクラムガイドの徹底はもちろんのこと、最終的にディスシプリンにつながっているかまで考えられなければいけないと思いました。

個人的に印象に残ったこと

個人的に印象に残った箇所をいくつか抜粋します。 今後も追加すると考えています。

1 つめは「ビール・ゲーム」による、個人の問題ではなくシステムの課題に対する話です。 システムの構造を把握していないがため、急な状況に対応できない組織的な問題だという話でした。 これを読んだ際に、ほとんどの組織が似たような状況に面しており、自分の置かれている状況と一致していると思いました。 書籍の英語版は初版 1990 年、改訂版が 2006 年に出版されていますが、問題を抱えている組織が多いと考えているので、非常に印象に残りました。

2 つめは、システム思考がうまくいなかくなる例であげられていた、「治療が病気よりも手に負えないこともある」です。 これは問題のすりかわりと呼ばれ、「非システム的な解決策を適用すると、長期的には、まったく気がつかないうちに、いっそう多くの解決策を打つ必要性が高まる」と記述しています。 日々の業務改善の中で、対処療法的な対応が中長期的に別の問題を生み出す可能性は身に沁みて実感しているので、この対策が非常に重要だと思いました。

3 つめは、共有ビジョンについてです。 本書では、共有ビジョンについて以下のように記述しています。

共有ビジョンとは「自分たちは何を想像したいのか?」という問いに対する答えである。個人ビジョンが人それぞれの頭や心の中に描くイメージがであるのと同じように、共有ビジョンも組織中のあらゆる人々が思い描くイメージである。共有ビジョンは組織に浸透する共通性の意識を生み出し、多様な活動に一貫性を与える。

今までの考えでは個人ビジョンと共有ビジョンを分けて考えていました。 しかし、本書では次のように延長線上にあると考えています。

共有ビジョンは個人ビジョンから生まれる。だからこそエネルギーを発揮し、コミットメントを育むのだ。

経験的にそれらを一致させることが難しかったので、断言していることに対して印象に残りました。

4 つめは、メンタル・モデルです。 個人的にドメイン駆動設計に関心があるので、メンタル・モデルの考え方を持っていました。 しかし、メンタル・モデルという言葉があまり浸透していないので、人と話す際には使っていませんでした。 本書では、エンジニアリングと関係なしでメンタル・モデルという単語を使っていることに非常に驚き印象に残りました。

次に関連で勉強すること

本書を踏まえて次に勉強することは、 2 つです。 1 つめはスクラムへの適用と理解を深めることです。 今月から業務でスクラムを実践します。 最初はスクラムを模倣するだけですが、よりシステム思考の概念を取り入れたいと考えています。 2 つめは本書を再度読み直すことです。 より深く理解するために、組織で実践した後に再度読もうと考えています。

まとめ

出版は昔ですが、現代のエンジニアリング組織に対しても、十分に通用する内容でした。 本書の内容を実践できていない組織は非常に多く、自身が所属する組織もそうですので、刺さる部分が多かったです。 個人的に最も良いビジネス書の 1 つになりました。 本書の内容を実践し、再度学び直すのがマネジメントや組織論観点での当面の目標になりました。