msksgm’s blog

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Webエンジニアです。日々の勉強記録、技術書感想、美術観賞感想を投稿します。

「シン・ニホン」感想

概要

「シン・ニホン」が IT エンジニア本大賞 2021 のビジネス書部門ベスト 10 にあったので、読むことにしました。 感想について記述していきます。

感想

ヤフーの CSO(チーフ・ストラテジー・オフィサー)の安宅さんが執筆した書籍です。 詳細なデータを用いながら現代日本の課題を解説し、解決策の提案をおこなう書籍です。 2019 年コロナ前の日本の課題と解決策の提案を、データを交えながら知りたい人にはおすすめできる内容でした。 「イシューからはじめよ」と同じような内容を求めている人にはおすすめできませんでした。

各章は以下のようになっています

1 章 データ × AI が人類を再び解き放つ 2 章 「第二の黒船」にどう挑むか 3 章 求められる人材とスキル 4 章 「未来を作る人」をどう育てるか 5 章 未来に賭けられる国に 6 章 残すに値する未来

1 章と 2 章が AI 人材と科学技術において遅れをとっているという課題が提起されます。 具体的には AI の論文数が中国と米国と比較して少なく、素養を持つ義務教育から AI-ready な企業まで足りていないということが課題や、米国に対して学生が博士を取るためのハードルが高すぎるという問題です。 3 章と 4 章では、それらをどのように解決するのかの提案がされます。 必要な人材、大学のシステム、投資先、について触れられます。 5 章と 6 章では、今後の日本全体の未来について書かれます。 国全体で取り組むべきこと、安宅さんの「風の谷」構想が記述されます。

全体を通して、データに基づいた課題が提案され、それに対する解決策が過去の事例や他国の事例をもとに提案され読み応えのある内容となっていました。 自身が大学院修士課程を卒業したこともあって、大学機関と研究への投資はかなってほしいことが数多く書いていました。 逆に本の内容が、「イシューからはじめよ」に近くなく、問題の解説と解決策の提案なので、あまり身近に感じられないことが多いかもしれません。 国を上げての提案なので、日本のことなのですが、次に行動に映すような内容ではありませんでした。 そのような内容を求めている方は「イシューからはじめよ」を再読するか、「ニュータイプの時代」を読んだ方がいいと思います。