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Webエンジニアです。日々の勉強記録、技術書感想、美術観賞感想を投稿します。

エンジニアの知的生産術 ―効率的に学び、整理し、アウトプットする

「エンジニアの知的生産術 ―効率的に学び、整理し、アウトプットする」[西尾 泰和, 2018]を読みました。

感想とまとめについて記述していきます。

感想

著者は「コーディングを支える技術」も書いた人です。
50 年後も使える知的生産の技術をということで本書を書かれました。

本書の構成は、第1章 「新しいことを学ぶには」、第2章「やる気をだすには」、第3章「記憶を鍛えるには」、第4章「効率的に読むには」、第5章「考えをまとめるには」、第6章「アイデアを思い付くには」、第7章「何を学ぶかを決めるには」の構成となっています。
一応、章ごとに独立しているのですが、解説の関連や省略のために他の章が紹介されたりするので、とりあえず全部読みました。

全体的な感想としては、「アウトプットは大事だけどより効率的にやるには?」について答えてくれる本だと思いました。
それぞれの章で、テーマに対する過去の事例やフレームワークを元にした解説なので説得力があります。
今やっている方法でいいのかと疑問を持っていたり、そもそも方法を知らないという場合だったり、たしかにこういうとき行き詰まったりするなどといった事例が網羅されているのでとても参考になりました。 また、知的生産はエンジニアに限った話ではないので、エンジニアになりたての人やエンジニア以外の人でも読む価値があると思いました。

少しだけ個人的に感じた問題点をあげるとするのならば2点あります。
それは、1.事例の解説が少し長くて冗長に感じてしまう箇所があること。2.この本を読んだあとにアウトプットする必要があるので、紹介された方法を一覧でだして、索引とかを作って欲しかったこと。です。

タイトルで惹かれた人は、タイトルに近い内容が記述されているので是非読んでみてください。

章ごとの簡単な概要

方法についての解説は長くなってしまうので、章ごとの簡単な概要について記述します。

第1章 新しいことを学ぶには

「情報収集・モデル化・検証」という学びのサイクル

アインシュタインの図式では、1. 直接的な経験から、2. 公理を生み出し、3. 公理から具体的な主張が論理に導かれ、4. 経験を通じた検証がもたらされる。

第2章 やる気を出すには

やる気をだせない人は、タスクを小さく分割できていないという解説がから始まります。

小さくする方法として、GTD、緊急度と重要度のマトリックスや、ポモドーロテクニックの紹介がされます。

第3章 記憶を鍛えるには

脳科学的な記憶方法についての章です。

いかに効率的に繰り返し覚えるかについての解説がされています。

第4章 効率的に読むには

読書術についての章です。

速読術ではなく、人が本の難易度によって1ページ読むのに何分かけるのか、読んだものをどのようにして取り入れるのかについて解説されています。

第5章 考えをまとめるには

アウトプットの方法として書き出し法と KJ 法が紹介されています。

第6章 アイデアを思い付くには

筆者が考案した、アイデアを思い付く3つのフェーズ(1.耕すフェーズ、2.芽生えるフェーズ、3.育てるフェーズ)の紹介がされます。James Webb Young の「アイデアの作り方」、川喜田二郎の「発想法」、Otto Scharmer の「U 理論」を踏まえて考案された方法です。

第7章 何を学ぶかを決めるには

「何をおこなうのが正しいのか」についての議論からはじまります。これについては、様々な前提のもと結局自分次第というまとめかたです。

そこで、筆者は自分経営戦略として、1.学びたい対象を探す探索戦略、2.知識を利用して拡大再生戦略、3.差別化戦略、4.貿易商戦略 を提案しています。