msksgm’s blog

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Webエンジニアです。日々の勉強記録、技術書感想、美術観賞感想を投稿します。

「Observability Conference Tokyo 2025」にコアスタッフとして参加しました

概要

表題の通りなんですが、Observability Conference Tokyo 2025にコアスタッフとして参加しました。 オフラインで 400 人以上の参加者(一般参加者、登壇者、スポンサー、スタッフなど)、オンラインは 700 人程度が集まった日本初のオブザーバビリティ専門カンファレンスでした。 もろもろのふりかえりを記述します。

o11ycon.jp

ふりかえり

経緯

「Observability Conference Tokyo 2025」(以下、o11ycon)にコアスタッフとして参画した経緯を記述します。

普段、OpenTelemetry(以下、OTel)の公式ドキュメントの翻訳 PJ に参画しています。 翻訳活動しているメンバーのうち 2 名(katzchangさん、ymotongpooさん)が o11ycon のオーガナイザー(の 4 人のうち 2 人)のため参画しやすかったのが主な理由です。 ほかにも、個人的にカンファレンスに参画する機会が多くカンファレンス運営の裏方にも興味があったり、オブザーバビリティ(以下、o11y)についてもっと盛り上がってほしいという気持ちもありました。 詳細な経緯は、下記のブログに記載しています。

o11ycon.jp

準備期間

おおよそカンファレンス 3 ヵ月ぐらい前にキックオフが始まって、ワーキンググループ(以下、WG)決めとか、スケジュール感の共有がありました。 私が担当したのは、運営・当日事前準備 WG で、リーダーも務めました。 カンファレンス運営に関わるのは初めてで、当初はリーダーになるつもりがありませんでした。 しかし、ほかのメンバーもカンファレンス運営経験がなかった状況で、私がオーガナイザーとカンファレンス運営外でも関わる機会が多く困った時に質問しやすかったため、最終的に立候補しました。

始まった後は、リーダーとしてオーガナイザーが想定していたタスクの理解をしたり、一部の内容は期限を決めて依頼したりしていました。 手探りの部分が多かったため、ほかの WG のリーダーに頻繁に質問したり、WG の MTG に参加したりとかして対応していました。 幸いカンファレンスに慣れている実行委員が優しく教えていただくことが多く、準備の段階でクリティカルな問題は起こらなかったと記憶しています。 ただ、正解がわからずに時間を一人で時間をかけているのは、精神的につらかった部分が多かったです。 特に問い合わせを受けても内容が正しいのかわからないため、右から左に情報を流しているだけの作業も多々あったのが、心苦しかったです。 そんな中でも別の WG のリーダーやメンバーに「物理的に用意できなかった問題さえ起きなければ大丈夫」といった励ましもあって、やれることをやっていました。

そんなこんなで、開催前日を迎えて会場設営をしたり、当日の役割について打ち合わせをして、すべての準備を終えました。

当日

当日は入場受付 -> ランチ準備 -> 懇親会パーティ準備といったのが大まかな担当でした(本当はもっと細かい作業がある)。 当日になると割り切って動くしかなかったため、事前準備よりも心が軽かったのを覚えています。 あとは、同じ役割を持ったコアスタッフや別の役割でも近くにいたコアスタッフと和気藹々と作業できたのも良かったです。
中野セントラルパークカンファレンスの控え室に今回初めて入ることができたり、受付や列の誘導を考えて実行したりと、普段は一参加者でみていたことを別視点で見れたのが良い経験でした。
参加者には以前から誘っていた上長や同僚などと会って挨拶や雑談をしたり、5 年来の知人であるエンジニアと会話したり、過去の勉強会で 1・2 回だけあった方々と再会して盛り上がったりとさまざまな人々に来ていただきました。 本当にありがとうございました。 カンファレンスが終盤になると、参加者の方々に必ず聞いていたのが「楽しんでいますか?」と「良かったセッションは何でしたか?」でした。 前者の質問には全員に「楽しいです!」と答えてもらえて本当に嬉しかったですし、後者の質問は多種多様な感想を聞けて自分もアーカイブを見直そうという気持ちになりました。

そんなこんなで、懇親会パーティも終えて、会場片付けなどをしてカンファレンスを終えました。

コアスタッフのふりかえり

準備期間は割と精神的にきつかった時期もありつつ、終盤にいくにつれて楽しめていました。 精神的にきつかったのは、タスクがめちゃくちゃ多かったり決断の責任が多かったりしたわけではなく、未経験で手探りなものに対して良い塩梅を見つけ出すのに苦労していた感じでした。 周囲に質問すれば最終的な決断は複数人で決断しましたし、詰めきれない部分は割り切ることもできたのかなと考えています。 まとめると、今まで経験できていなかったコンフォートゾーン外の体験を、助力を得られながら実践できて良かったです。
当日になると楽しかったなという気持ちが多かったです。 何よりもkatzchangさんと会場で会うたびに「順調?」と「楽しんでる?」という声をかけていただき本当に助かりました。 特に先述した知り合いが楽しめているということを聞けて、自分が興味関心のある場を提供する助力できたという事実が本当に良かったです。

そしてカンファレンスがどのように運営されているのか知るについては、オーガナイザーと獅子奮迅の活躍をしていたコアスタッフの方々が本当にすごいと思いました。 某 SRE KAIGI のオーガナイザーと PEK オーガナイザーの方々は、一日 48 時間ないと時間が足りないんじゃないかと思いました。

katzchangさんが、o11ycon の開催を決意した理由が「オブザーバビリティは誰のものか? - Observability Conference Tokyo 2025 開催にあたって」に記載されています。 下記の内容は記事の抜粋です。

katzchangさんが遭遇したローン初日に発生したトラブルを振り返りながらどのように対応すべきかについての場面) このような場面で適切な判断をするためには、取り得る選択肢のバリエーションとともに、状況の把握が重要です。取り得る選択肢はビジネス的な選択だったり、アプリケーションコード的な選択だったり、もしくはインフラストラクチャー的な選択だったりするかもしれません。それぞれ、必要となる手間やコストも様々です。様々なオプションを洗い出し、もっともマシな選択をするためにはどうしたらいいか、これが課題です。制御工学的の言葉を借りれば、オプションを洗い出すのは可制御性の領域であり、状況を把握するのは可観測性、つまりオブザーバビリティの領域です。 本番環境では様々なことが起こります。事前に負荷試験環境などで想定していたものとはデータも違うしトラフィックも異なる。本番環境で何が起こっているかを把握し、様々なオプションを検討し、課題に対してできるだけ早く対処するために、オブザーバビリティは本番環境に関わるすべての人に役に立つはずです。これは SRE チームだけのものではないし、プラットフォームチームだけのものでもないし、もちろんアプリケーションチームだけのものでもない。本番環境に関わる人すべての問題領域のはずです。 これは、既存のイベントやカンファレンスにはなかなか合致しません。それぞれ、重要だったり流行だったりいろいろなトピックがあり、それらを支えるだろうオブザーバビリティにまで目を向けるのは難しいでしょう。これが、オブザーバビリティをテーマにしたカンファレンスが必要と考えた理由です。 Observability Conference Tokyo 2025 は、開催趣旨にも記した通り、サービス運営に携わる全ての役割の人たちが集まり、知見を共有しあうカンファレンスにしたいと思っています。10/27 月曜日、オブザーバビリティについて語り尽くしましょう!

o11ycon はそのような場を提供できたと思いました。 少なくとも、自分の知人は全員が「楽しい」と発言していましたし、それぞれのお気に入りのセッションについてディスカションしていました。

加えて、ymotongpooさんの o11ycon に対する熱意を語ったポストです。

x.com

この点についても本当に同意しましたし、o11ycon はこれまでにない価値があるイベントになりました。 自分が技術系カンファレンスを好きになったきっかけが「この技術に対して興味を持っている人たちや、仕事にしている人たちがこんなにいるんだ」と思ったことでした。 o11ycon も o11y に関心を持つ人々が 400 人以上(一般参加者、登壇者、スポンサー、スタッフ、etc..)集まり、本当に良かったです。

ここまではコアスタッフとしての視点でふりかえりでしたが、ここからは一参加者として得た体験についても記録しておきます。

参加者としてのふりかえり

セッション参加

当日に生でセッションを聴講できる予定はなかった(サテライトなら聞けるかもと思っていた)のですが、同じ役割を持つメンバーに時間をとっていただいたので、1 つだけ聞けました。 本当にありがとうございます。

SanSan さんの Maeda Eiji さんの ゼロコード計装導入後のカスタム計装でさらに可観測性を高めようを聴講しました。 聴講した理由は 2 つあります。 私が Kotlin に関心があり Kotlin の計装について興味があること、Maeda さんの過去の登壇を聞いており差分に興味があったからです。

speakerdeck.com

以下の 3 つの OTel カスタム計装についての発表でした。 どれもコード付きで、実践的かつ泥臭い内容だったこと、期待した効果を得られたかをまとめており、とても勉強になりました。

  • ユーザー情報等の計装
  • 重要機能(検索)の計装
  • 非同期処理の計装

話が少しそれますが、最近では OTel の公式ブログでCall for Contributors: OpenTelemetry for Kotlinが投稿されました。 そのため近い将来 KMP 対応された Kotlin Native な OTel 計装が実装されそうです。 SanSan さんは KMP(Kotlin Multiplatform)も積極的に導入しています。 そのため、モバイルアプリケーションからバックエンドまで統一された計装を実現することで、いち早く E2E な o11y を達成する企業の 1 つになるのではないかと予想しています。

サイン会

Liz のサインをもらえました。 コアスタッフだともらえる時間がないかなと考えていたのですが、列がさばけたタイミングでコアスタッフも並べました。 一生に一度あるかないかのチャンスでもらえて良かったです。

まとめ

長々と書きましたが、まとめると o11ycon のコアスタッフの一人として o11y コミュニティに貢献できて良かったです。 最近、退職(現在は有休消化期間)して転職してやりたいことリストに「o11y や OTel がキャズムを超える瞬間をコミュニティの一員として観測したい」ということを掲げました。 今回の活動はその一助になりました。

一方で、コミュニティ貢献だけでなく o11y についてまだまだやりたいことはたくさんあります。 具体的には以下が挙げられます(別記事でいつかまとめる)。

  • おうち o11y
  • o11y の技術同人誌を執筆
  • o11ycon 登壇
  • OTel 翻訳を現在のアクティブな翻訳(一部のコアなページの翻訳が終わっていない状態)から、差分や新規ページに対して翻訳していくステータスにシフトする
  • o11y 系 OSS にコミット(Call for Contributors: OpenTelemetry for Kotlinが気になる)

今回、o11ycon にコアスタッフとして参画できたのは非常に楽しかったですし、これからやっていきたいことのモチベーションにもなりました! また来年!!

x.com

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