フェルメールと 17 世紀オランダ絵画展
「フェルメールと 17 世紀オランダ絵画展」にいってきました。 会場は東京都美術館でした。 1 月から開始の予定でしたが、コロナによって美術品の搬入が遅れて会期が遅れ、2 月からになっていました。 無事に見えることができてよかったです。
概要
35 枚しかないフェルメール作品の 1 つである「窓辺で手紙を読む女」が展示されています。 「窓辺で手紙を読む女」は、修復時に作者以外の何者かによって塗りつぶされた天使の絵を修復されており、修復後では所蔵館以外で初めての公開です。 他には 17 世紀のオランダ絵画が、「肖像画」「風景画」「静物画」「宗教画」「版画」のジャンルで展示されています。 レンブラントをはじめとした当時の作風を代表する作品が集められています。
会場の規模は 3 フロアで、1 時間 30 分ほどで全てを見切ることができました。 フェルメールの人気が高いので、混雑しておりチケットは直前になると入手困難です。
感想
修復された「窓辺で手紙を読む女」を鑑賞することができて非常に満足でした。 「窓辺で手紙を読む女」に最も人が集まっているので、間近でみるまで少し時間がかかりましたが、見逃すことなく見ることができました。 「窓辺で手紙を読む女」で塗りつぶされていたのは、「キューピッドの画中画(絵画の中で描かれた絵画)」です。 キューピッド(「愛」)が仮面(「欺瞞」)を踏んでおり、「欺瞞を乗り越えられるのは誠実な愛だけだ」というメッセージが隠れていたことがわかりました。 手紙にも「愛」という意味があったので、より絵のメッセージがわかりやすくなりました。 本展は「窓辺で手紙を読む女」だけでなく、修復プロジェクトの解説されます。 具体的には、天使の絵が隠されていたことが発見された時期と方法、フェルメール以外に手によって塗りつぶされたことが判明された時期と方法、再現までに費やした時間などです。 修復前の「窓辺で手紙を読む女」を再現した作品も近くに展示されており、修復前と修復後でなにが変わったのか印象の違いを楽しむことがきます。 修復前は、「キューピッドの画中画」は壁に見えるように塗りつぶされていたため、大きな壁に対してさまざまな想像を膨らませていました。 それは一つの楽しみ方だったと思います。
本展では「フェルメール」と書いてありますが、フェルメールの作品は 1 枚のみです。 他は主に 17 世紀のオランダ絵画でした。 当時、流行した「肖像画」「風景画」「静物画」「宗教画」「版画」が数多く取り揃えられています。 特に「肖像画」が多く、加えて特徴的な衣装と顔のパーツを独特に表現しており印象が深かったです。 レンブランとそれに影響を受けた画家たちの作風を堪能することができました。 全体的に色合いが暗く、何かを風刺している絵画が多かった印象です。 昔のオランダではチューリップを株の取引のように使われました。人気の色が存在し、「静物画」であるチューリップの絵も人気の色が選ばれていたことから、買い手のことを意識した作品に感じられました。 「版画」は当時の人気だった絵が複製されており、「窓辺で手紙を読む女」も複製されていたことから、昔からの人気の高さが窺えます。 「宗教画」も、当然のように取り揃えられており、絵画の中でも位が高かったことがわかります。聖書の物語に独自の舞台を用意したり構図を変えたりと作者自身の解釈が汲み取られていたことがわかって興味深かったです。
まとめ
フェルメールの作品の一つである「窓辺で手紙を読む女」の修復後が日本初公開(所蔵館以外は世界初公開)された展示会でした。 「窓辺で手紙を読む女」に関連する、エピソードも知ることができます。 他には同時期の 17 世紀オランダ絵画も鑑賞することができて、当時の流行りについて学ぶことができました。 フェルメールの作品を鑑賞できるのは、貴重な機会なので、少しでも興味がある方は行ってみたらどうでしょうか。