概要
「1 兆ドルコーチ」が、IT エンジニア大賞のビジネス書部門で選ばれていたので読むことにしました。 感想を記述します。
感想
Google、Apple で勤務し、重役たちに大きな影響を与えた、ビル・キャンベルについて書かれた本です。 「1 兆ドルコーチ」というタイトルは、決して過小評価ではない彼の功績から計算できる金額的な影響と、周囲から『コーチ』と呼ばれる彼の振る舞いから取られています。 ビル・キャンベルは豪快な人でしたが、生前は自伝やビジネス書籍を書こうとしませんでした。 この書籍は、「How Google Works」を執筆した、エリックシュミットらが、ビル・キャンベルの死後、彼の功績や偉業を失われないようにするために執筆されました
本書は、彼の生い立ちから始まり最初のアメフトのコーチとしてのキャリア、その後ビジネスパーソンになった後のキャリアについて書かれていきます。 それらの経歴を元に、彼の取り組み、効果を元にした、コーチングとマネジメントについて記述されます。 ビル・キャンベルの取り組みと効果は以下の様なものがあげられます。
- 議論すべき「トップ 5」をあげよ
- 同僚の意見にちゅいを払え
- 職場環境とパフォーマンスの相関性が関係ある
- カネはカネだけの問題ではない。良い報酬は愛と敬意の証であり、社員を会社の目標に結びつける
- 人々のあいだの「小さなすきま」をうめる
- 「正しいプレーヤー」を見つける
個人的に特に印象に残ったのは、以下でした。
- マネージャーは肩書きが作る、リーダーは人が作る
- 「チーム・ファースト」で取り組む。仲間の成功を心から喜ぶ(クレイ・トンプソンの活躍を喜ぶ、ステフィン・カリーのように)
- 親身になる許可を自分に与える
- 苦しいときこと前に出る。物事がうまくいかないとき、いつにも増して「誠意」「献身」「決断力」がリーダーに求められる
- つねに「コミュニティ」に取り組め。仕事でも仕事以外でもコミュニティをつくれ。人々が絆で結ばれるとき、チームはずっと強くなれる
自分自身がどの様なコーチング(具体的なアドバイス、コミュニケーションなど)を受けていたときに、嬉しかったのかを思い出しました。 同様に、どのような人物だと良くなかったのか思い出し、心の中で思っていた本当は良くないことを思い出しました。 この書籍は実話に基づきますが、ポジショントーク的な部分も多いと思いますし、研究による引用の正確性も定かではありません。しかし、「この様なことを実践できるコーチ(マネージャー)は絶対に誠実で良い人だ」とか「まだマネージャーとかになる立場じゃないけど、チームで働いてるんだから、こんなやり方で周りと接したい」とか思わせてくれる本です。
タイトルと帯に惹かれた方は期待通りの内容なので読んでみたらどうでしょうか